トヨタ社長が「終身雇用を守るのは難しい」と発言をしたことが、ネット上で大騒動になっています。
日本企業ではじめて売上高が30兆円を超えたトヨタ自動車が、ネット民に叩かれている。
豊田章男・トヨタ自動車社長が、日本自動車工業会の会長という肩書きで臨んだ記者会見で、「終身雇用を守っていくというのは難しい局面に入ってきた」「雇用を続けている企業にインセンティブがあまりない」と述べた。
独立行政法人労働政策研究所の「第7回勤労生活に関する調査」(平成28年)によれば、「終身雇用」「年功賃金」を支持する者の割合は、調査を開始した1999年以降、過去最高の87.9%となっている。
また、20~30代で「終身雇用」「年功賃金」を支持する割合が2007年頃から急激に伸びているという。
どんな会社でもいいから定年退職の日まで雇われたいと若者たちが抱いた大志を、日本を代表する大企業トップが無情にも握りつぶしてしまったのです。
終身雇用が無くなっても若者の賃金は上がらない
他の先進国の賃金が上昇する中、日本だけが減少した。
ただ、気休めを言うわけではないが、若い世代の方たちは、そこまで悲観的になる必要はない。むしろ、トヨタ自動車のように日本社会に大きな影響を与える大企業が「終身雇用」をサッサとギブアップしてくれた方が、日本のためになる。皆さんの「賃金」が上がっていくからだ。
ご存じのように、日本の労働者はこの20年、仕事は早くてうまくて、賃金はギリギリまで安くという「牛丼スタイル」でコキ使われてきた。
経済協力開発機構(OECD)が試算した働き手1人の1時間あたりの賃金は、この20年でイギリスは87%アップ、アメリカ76%、フランス66%、ドイツ55%と先進国は順調に増えている中で、日本はマイナス9%となっている。
「見たか!これがメイド・イン・ジャパンの底力だ!」と日本製の電化製品を海外に自慢している間に、外国人がドン引きするほどの「労働者軽視国家」になっていたというわけだ。
では、なぜこうなってしまうのか。要因は様々だが、そこには終身雇用システムの根幹をなす「年功賃金」の影響も大きい。
新卒の給料は安く、中堅はまあまあ、ベテランは高給取りという年功序列型給与の企業というのは、基本的に会社に長いこと勤め上げることを前提とした賃金設定となっている。つまり、日本の労働者は、定年まで雇ってくれるという「保障」と引き換えに、若いうちは低賃金でもガマンすることを強いられているのだ。
この傾向は昨日今日に始まったことではなく、戦後の大企業のサラリーマンはずっと「安定」というニンジンをブラ下げられながら、「賃金先送り」で働いてきた。
この人相変わらずですね…
あまりにビジネス、経済、税金、人口動態、社会を知らなすぎる。
若者の賃金が上がるわけないだろ。今後は社会保障費の増大で実質賃金は下がり続ける。
若者の給料が上がるなどあり得ない。賃金カーブが年功序列で保障されているからちゃんと昇給するのであって、終身雇用とセットである年功序列も無くなってしまう。そうなれば、若者は今の給料で永遠働かされるようになる。
だからこそ多くの若者が終身雇用を維持して欲しいと思っているんですよ。
終身雇用が無くなれば一生低賃金でこき使われるようになるだけです。
労働者が守られているからこそ、企業は従業員を食べさせるために努力をするのです。
安い賃金でこき使うなら途上国でもできる。それでは豊かにはならないのです。
いかに付加価値の高い仕事を生み出すのか。高い給料を維持するためには嫌でも企業は考えるでしょう。
これこそが原動力となり、日本はここまで成り上がってきたのです。昔は途上国と同じく労働者の安価さで勝負しましたが、年功序列と共に多くの企業は従業員を食べさせるために付加価値を高めていったのです。
だからこそ、日本はここまで豊かになれた。それをやめたらどうなるのかは猿でもわかります。
すでにお金はあまり必要ない社会に
日本は長いデフレの中で非常に安価で良質なモノやサービスを受けられるようになりました。
正直、年収400万もあれば十分裕福に暮らせるんですよ。
お金の価値は相対的に下がっています。そもそも多くの人がお金を欲しがるのは安心が欲しいからなんです。
将来が怖いから貯金をする。終身雇用が無くなればよりマネーは貯金に回され、消費が冷え込むことが容易にわかる。
そうなればさらに賃金は下がる。ここまで考えが及ばないライターって…
終身雇用が維持できないというか、正社員を雇いたくない
なぜ企業は正社員を欲しがらないのか。
理由は簡単。高いからです。日本では会社が従業員の医療保険や税金を半分支払っています。
日本はバカみたいに税金が高いので、半分払うだけでもかなりの額になるんですよ。保険やら税金を含めると正社員一人当たりで時給3000円にもなるわけです。
会社としてはなんの価値も生み出していない従業員に時給3000円も払えないんですよね。しかも、年齢が高い人はこの2倍も3倍も高い時間で働いていますから、確かに終身雇用を維持するのは不可能なのかもしれません。
人々が欲しているのは安心感
人々が欲しているのはお金よりも安心感なのです。みんな安心感が欲しいからお金を稼いで、貯めているわけですよ。つまり、命や仕事が保障されていればバンバン金使うわけです。
終身雇用のおかげで人生モデルが設計しやすく、人々はお金を使うようになります。
つまり、終身雇用が無くなれば身分や生活が保障されなくなり、より一層人々は将来に不安を感じてお金を貯めるようになります。
つまり消費が鈍るわけですよ。なんだかんだ終身雇用はメリットが多いのです。
バカみたいに稼いでいるトヨタが終身雇用を維持できないなんてそんなことあるわけがない。日本企業は全てトヨタ以下の利益なのですから、全ての会社が終身雇用を維持できないという話になってくるわけです。
こういうのは意外と元から人手が少なかった中小企業の方が終身雇用を維持しやすいのかもしれません。
終身雇用を死守して副業禁止を禁止せよ
終身雇用は死守して副業を積極的に押した方がいいと思います。日本の社会というのは社会保障、身分保障を会社に委ねています。
つまり、ここで会社が終身雇用やーめたとなれば、日本国民は社会保障や身分保障が脆弱になり、一気に貧困層が溢れかえる地獄のような社会になります。
雇用規制を緩和するのであれば、その前に社会保障を充実させなければなりません。そうしなければ、日本はより貧富の差が広がり、地獄のような国になります。
それよりも、若手は安い給料で文句があるなら副業で稼げるようにすれば良いのです。
民間であれば副業禁止というのは憲法で保障されている職業選択の自由に反しますので、本来であれば、してはいけない規制なのです。
会社としては自社での仕事に専念して欲しいと思うでしょうが、プライベートに何をしようが個人の自由なので、それを制限することはできません。
そもそも、低所得な人が副業を禁止されたら一生奴隷でいろと言われているようなものです。
こんなことがあっていいはずがありません。使用者と労働者の力関係が歪です。
国や厚労省も副業推進を進めてはいますが、法的な拘束力がなくては意味がありません。副業禁止を禁止する法律を制定し、優秀な人により稼いでもらった方が日本の経済にプラスに働きますし、会社は労働者の人生を保障する体力がなくなっていますから、個人で稼いでくれた方が助かるわけです。
大変なのは労務管理ぐらいですが、そんなもんググれば確定申告のやり方など簡単に出てきますし、会計ソフトを使えば簡単に作れますから、労働者が副業の会計労務関連をやればいいだけのことなのです。