住宅の転貸、規制へ新法 投資トラブル受け国交省検討
国土交通省は賃貸住宅などのサブリース(転貸借)事業者に法規制を導入する検討に入った。国への登録を義務化し、将来の家賃収入などについて顧客への説明を必須にする。サブリースでは約束した賃料が顧客に支払われないといったトラブルが目立つ。悪質業者の排除にむけ、2020年以後の早期に新法制定をめざす。
サブリースとは?
サブリースとは、アパートなどの所有者から建物を一括で借り上げ、長期間にわたり入居者にまた貸しするビジネスです。
事業者が入居者の募集から建物の維持・管理、家賃収納までを担い、アパートなどの所有者が少ない負担で収入を得られるようにすると言うのが名目ですが、結構詐欺的なことが多くて、近年はトラブルが相次いでいま。
特に「安定した家賃収入を保証する」と勧誘され、多額の融資を受けてアパートを建設したケースで問題が多いです。
事業者から家賃の減額を迫られ、借入金の返済が滞る例もみられます。
代表的な例としては、いわゆる「かぼちゃの馬車事件」があります。
サブリース方式でシェアハウスを運営していた不動産会社が破綻し、この関連でスルガ銀行では多額の不正融資が発覚しました。
このサブリースを直接、規制する法律はなく、国交省は事業者に登録を義務付ける新法を検討するとのことです。
現在も賃貸住宅の管理業者に登録制度がありますが、登録は義務ではなく、任意となっています。そのため、全国で約3万社とされる事業者のうち登録は4千社程度にとどまっている状況です。
登録事業者には守るべきルールを設ける
将来の賃料の変動について取引先に適切に説明したり書面を交付したりすることを求め、将来、賃料が下がることで起きるトラブルを抑えることを義務付けるようです。
一定の年数以上の実務経験を持つ人材や住宅管理の有資格者の配置のほか、入居者から預かった賃料を登録事業者の財産と分けて管理することも義務にし、違反した場合の処分や罰金などの規定も設けるとのこと。
国交省は7月、1万1千社のサブリース事業者を対象に実態調査を実施した。10月ごろまでに結果をまとめて公表する予定で、その上で新法の具体策を詰めるようです。また、20年度にはサブリース対策の強化にあたる担当部署を新設する予定です。